護法少女ソワカちゃん第12話・注釈 †
護法少女ソワカちゃん第12話の注釈のページです。
動画のコメント、mixiソワカちゃんコミュ、2chソワカちゃんスレなどを
参考にさせていただきました。ありがとうございました。
漏れ・間違いなどお気づきの方は、こちらでご指摘いただけると助かります。
善悪の彼岸 †
ニーチェの著作『善悪の彼岸』に由来。
投稿日(2008/09/24)がお彼岸の時期に当たることにも掛けたと思われる。
悪夢と呪法の王国 †
東京ディズニーランド(以下、TDL)のキャッチコピー「夢と魔法の王国」のもじり。
ZEN DOCTRINE OF NO FUTURE †
「DOCTRINE OF NO FUTURE」は直訳すると「未来なき教義」。
鈴木大拙の英文著書『The Zen Doctrine of No Mind』、
及びセックス・ピストルズの実録映画『NO FUTURE A SEX PISTOLS FILM』を組み合わせたものと思われる。
冒頭シーン †
ソワカちゃんが着てるのはSEDITIONARIESのガーゼシャツ。パンクロックの定番品。
背景は水墨画風のTDLか。今回のテーマ「禅」と水墨画とはともに日本に渡来し密接に関わりあってきた。
クーヤンが頭に草履を載せている様は禅の公案、『碧巌録』の「南泉斬猫(なんせんざんみょう)」に由来。
東西の両堂猫児を争う、南泉提起して云く、道ひ得ば即ち切らず。
衆無對、南泉猫児を斬って両断と為す。
南泉、趙州に問ふ、趙州便草鞋を頭上に於いて戴いて出づ。
南泉云く、もしなんじ在らば、猫児を救い得ん。
椅子に腰掛けるグルグル †
椅子に腰かけるポーズは映画『エマニエル夫人』のパロディ。
顔につけているのは映画『羊たちの沈黙』他「ハンニバル・レクター三部作」に登場するレクター博士の拘束マスクが元ネタ。
背景は映画『未来世紀ブラジル』の1シーンからの引用のようだ。
クーヤンの文字 †
「阿」「婆」「婆」は仏典に説かれる八寒地獄の一つ「阿婆婆地獄」に由来。
なお八寒地獄は経論による異訳があり、「阿婆婆地獄」は涅槃経や大智度論で用いられている。
○○グラフ †
恐らく「ホログラフ」で3D映像またはそれを実現する技術のことを指すと思われる。
正確には映像そのものは「ホログラム」、技術は「ホログラフィー」、「撮影する」を意味する動詞が「ホログラフ」らしい。
パイタッチのシーンについて †
比較的画質がいい善悪の彼岸で、これまでになかったナースIDEの一面が見られるようになった。
元々12話に一瞬だけ挿入されていたがエンコード・アップロードする際にコマ落ちしてしまったシーンのようだ。
クモ型ロボット †
執事AとメイドBが操縦するクモ型ロボットはSF作品で良く使われる形状。
『サイボーグ009』に登場する「0011」や、『攻殻機動隊』の「タチコマ」、『MOTHER2』のポーキーなどがその例。
また、地の底から「蜘蛛」によって救い出される構図は芥川龍之介『蜘蛛の糸』を髣髴とさせる。
色即是空…空即是色… †
『般若心経』の一節。物質的存在は全て「空」であり、また「空」は物質的存在そのものである、という教え。
奈落の底から †
「奈落」はサンスクリット語「naraka」の音写に由来する仏教用語。地獄、または地獄に落ちること。
心躍らないテーマパーク †
TDLがモデルと思わせておいて、どうもアトラクションが異なる。
例のパチモンと同じく、北京の石景山遊園地が元ネタかも知れない。
山川草木…悉有仏性… †
森羅万象全てに仏性が備わっているという、本覚思想を象徴する言葉。
涅槃経に「一切衆生悉有仏性」とは説かれているが、正確には「山川草木」という表現はどの経典にも無い。
キミの想定したシナリオどおりというわけか? †
マロの返答「ソーダ」=「そうだ」。
しかしこの先の展開は読めない。ということか †
マロの返答「操舵」=「そうだ」。
巨大なビッグフェイス †
マニュエル・レヴィナスの説く「顔(visage)」の暗喩か。
Zeitlich Einsturzende Neubauten †
ドイツ語で、直訳すると「一時的な崩壊する新建築」。
ドイツのバンド「Einsturzende Neubauten(アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン)」、
及び「日本のノイバウテン」と呼ばれた『ZEITLICH VERGELTER(ツァィトリヒ・ベルゲルター)』を組み合わせた造語。
頭文字「ZEN」は勿論「禅」を示唆する。
kihirohito氏ご自身のブログでのコメントによると、本作品もそれらのバンドの曲調を意識して作られたようだ。
元々インダストリアルでメタルパーカッションな曲にしようと思ってたけど、
結局いつもの感じの曲調になっちゃいましたね。
やたら小難しいこと語る †
元ネタ不明。グルジェフだろうか? 以下、参考のため作品より転載。
ここはまさに観念の牢獄、言語メカニズムによる巨大伽藍。
君たちはここを出ることができないまま息絶えるだろう。
なぜならば言語メカニズムはその外部を内包し続ける故、
というよりも「外部」といった観念そのものが、そもそもは
言語メカニズムが生み出す虚妄に過ぎないからだ。
この空間そのものが公案 †
公案は禅宗で修行者が悟りを開くための課題として与えられる問題のこと。禅問答とも呼ばれる。
禅の求める悟り=「言語を超越した境地」という意味では、前掲のグルグルの言葉に通じる。
それではBon Voyage! †
「Bon Voyage」はフランス語で「よい旅を!」という意味。
「ぼんぼおやじ」ではなく「ボン・ボヤージュ」と読む。
またTDLのゲートウェイにある店の名前でもある。
なんか知らないけど顔が開く †
中国・宋代の怪僧・宝誌を模った宝誌和尚立像が元ネタか。
なお、ロラン・バルトの著書『表徴の帝国』の表紙にも同像の写真が使われている。
戦闘シーン †
ソワカちゃんがロープにぶら下がり移動しつつビーム攻撃で敵を倒してゆく様は
ゲーム『ロックンロープ』が元ネタと思われる。(参考動画、特に8:00からのステージがそれっぽい)
めくるめく世界よ †
レイナルド・アレナスの小説『めくるめく世界』に由来するフレーズか。
花咲く娘たちよ †
ザ・タイガース『花の首飾り』の歌詞「花咲く娘たちは」が元ネタ。
マルセル・プルーストの代表作『失われた時を求めて』の
第2編「花咲く乙女たちのかげに」が元ネタではないか、という意見もある。
六角電波 †
クーヤンの出した漢字「六角電波」は、『イリヤの空、UFOの夏』の台詞に登場するらしい。
それを改変し、2chからネット上に広まったコピペ「洗脳の第一歩」で有名だが、
「六角電波」そのものが具体的にどのようなものかは不明。
如是畜生…発菩提心… †
滝沢馬琴『南総里見八犬伝』や歌舞伎の演目『鳴神』に登場する言葉。
『梵網経』で説かれる四十八軽戒の第四十五・不化有情戒の一節「汝是畜生発菩提心」が転じたものらしい。
馬頭観音を祀る際にもよく使われるようだ。
只管(ひたすら)続く †
公案への対比として、道元の説いた「只管打坐」(=公案を用いないで只管座禅を組む修行方針)に掛けてるかも知れない。
クーヤンとメカ沢先生が乗るアトラクション †
わけのわからないものや、『好きよ留学生』で踊る猫がいる。乗ってみたい。
阿毘羅吽欠(あびらうんけん) †
胎蔵大日如来の真言。それぞれの文字が "地・水・火・風・空" の五大種字を意味する。
七里結界 バリアー張って †
「七里結界」は密教用語で、魔障を入れないように七里四方に境界を設ける修法のこと。
弘法大師・空海が高野山建立の際この結界の法を修したとされる。
本丸 †
丸の中に「本」の文字は本多家の紋として知られる。
張りぼての本丸は、豊臣秀吉が築いたとされる一夜城(墨俣城・石垣山城)も連想させる。
間奏シーン1 †
ヨハンナ・スピリ原作のアニメ『アルプスの少女ハイジ』が元ネタ。
音楽も同アニメのオープニングテーマ・イントロ部分の改変。
「クララが立った」の台詞で知られる名シーンが出てくるが、クーヤンが扮するクララはなぜかダウジングロッドを手にしている。
ちなみに弘法大師空海の「錫杖で地をついたら、そこから水が湧いた」という各地の伝承を、ダウジングに関連付ける人もいる。
間奏シーン2 †
アンネ・フランク著『アンネの日記』が元ネタ。
ナチスドイツ占領下のオランダ・アムステルダムで隠れ家に潜むユダヤ人たちの生活を綴った日記。
間奏シーン3 †
花登筺(はなとこばこ)原作のドラマ『あかんたれ』が元ネタ。
大阪船場の反物問屋・成田屋を舞台に、丁稚から大商人へ至る主人公の奮闘を描いた一代記。
存在論的苦悩を描いたちょっとHなハートフルロマンではない。
この部分の旋律はドラマ『あかんたれ』のオープニングテーマへのオマージュ。
みんな「あ」からはじまるね †
マロのアドバイス †
「林家ペー」は芸能人の誕生日を覚えていることで有名な人物。
虚空の隙間から現れる誰かの影 †
「虚空」は虚空蔵菩薩(アカシックレコード)に通じる。
ソワカちゃんのごきげんいかが?ABC †
スネークマンショー『咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3』のもじり。
すなわち、ここはTDLということか! †
「ZEN」は換字式暗号の一種で、「6・1・2」が鍵だったらしい。
燃え上がるパトスよ †
パトス(pathos)はギリシャ語で「感情的・熱情的な精神」の意。「情熱」とも訳される。
『残酷な天使のテーゼ』の「ほとばしる熱いパトスで」というフレーズを意識してるかも知れない。
眼球たんの乗り物 †
アニメ『ヤッターマン』に登場する「ヤッターワン」が元ネタか。
東京ディストピアランド †
ディストピア(Dystopia)は理想郷ユートピアの正反対の社会。
人権を抑圧する極端な管理社会として描かれることが多い。
月を指差すソワカちゃん †
禅で言う「指月の指」の仄めかしか。
「指月の指」は『楞伽経』の「如愚見指月、観指不観月、計著名字者、不見我真実」という経文に基づく教えで、
悟り(あるいは真理・ありのままの実相)を「月」に、経典(あるいは言語による表現)を「指」に譬えて、
「指し示している指ではなく、そのずっと先にある月そのものを見よ」という考え方。
ラストシーン †
「地表に迫り来る月」という構図は、漫画『幻魔大戦』ラストシーンの「髑髏模様の月」や
小説『帝都大戦』に登場する呪術(?)「永遠の満月の方程式」のエピソード、
ゲーム『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』の「落下する月」などを想起させる。