護法少女ソワカちゃん第9話・注釈 †
護法少女ソワカちゃん第9話の注釈のページです。
動画のコメント、mixiソワカちゃんコミュを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
漏れ・間違いも多いと思いますので分かった方はご指摘・修正をお願いします。
なお、今回はアンダーグラウンド的なネタが多く含まれております。色んな意味でご注意下さい。
何はともあれ…ようこそ、アンダーグラウンドへ。
時輪タントラ †
「時輪(じりん)」は「カーラチャクラ」の漢訳で、「カーラ」は時間、「チャクラ」は輪、「タントラ」は密教を意味する。
イスラム流入後のインドで成立しチベットに伝来した、後期密教に属する経典の一つ。
時間と存在の関係、理想的仏教国アガルタの首都シャンバラ、最終戦争の記述などが特徴。
また、カーラチャクラ・タントラでは大日如来ではなく、阿閦如来(アクショービヤ)が主尊とされる。
時代的に最後に成立した最高の経典であるという評価もある一方、
イスラム教の影響が見られ正当な仏典とは認められないという意見もある。
チベット仏教では主流を占めるゲルク派の法王ダライ・ラマのみが灌頂(=正統継承の儀式)を許されている。
なお、チベット仏教での密教の区分は以下の通り。
- 初期密教…日本の修験道(雑密)に相当
- 中期密教…日本の真言密教・天台密教(純密)に相当
- 大日経「行タントラ」
- 金剛頂経「瑜伽(ゆが)タントラ」
- 後期密教…「無上瑜伽タントラ」と呼称、日本には後期密教は伝えられていないとされる
- 方便・父タントラ「秘密集会(ひみつじゅうえ)タントラ」
- 般若・母タントラ「ヘーヴァジュラ・タントラ」「サンヴァローダヤ・タントラ」
- 双入不二タントラ「カーラチャクラ(時輪)・タントラ」
ちなみに後期密教には男女の性交を肯定的に捉える面があることから、
真言立川流の発生は元朝との交易による後期密教流入の結果ではないかという説もある。
※以上、こちらのサイトのチベット仏教の解説を参考にしました。
-外道祭文 †
夢野久作の小説『ドグラ・マグラ』の「キチガイ地獄外道祭文」(=阿呆陀羅経・あほだらきょう)に由来。
入れられたら死ぬまで出られない精神病院の恐ろしさを題材にした歌。
ただし原文を読まないとその独特の雰囲気は分からないだろう。以下はごく一部の抜粋。
あ――ア。ナント恐ろしキチガイ地獄じゃ。サテモ恐ろし精神病院。
なぞと云うても皆様方には。まだまだ合点が行きかねましょうが。
物は順序じゃお聞きなされよ。聞いているうち如何にも、もっとも、
そんな事とは知らずにいたわい。成る程そうかと合点が行きます。
合点が行ったら八万四千の。身内の毛穴がゾクゾク粟立つ。
そんじょ、そこらの地獄の話じゃ……
チャカポコチャカポコチャカポコチャカポコ……
香巴拉(シャンバラ)の門 †
「シャンバラ」は『時輪タントラ』で説かれる理想の仏教国・アガルタの首都。
理想郷・シャングリラのモデル。また、香巴拉は「シャンバラ」の音写。
冒頭シーン †
80年代に活躍したパンクバンド・YBO2の『ドグラマグラ』(ピクチャー・レコード)が元ネタ。
タイトルシーン †
書体も含めて、丸尾末広の漫画『少女椿』のパロディ。(動画はこちら ※エログロ注意)
ちょいマロおやじのメッセンジャー †
もはやお馴染みの麗子像。ヌーメンを跳ね飛ばして転んでる。
髪型と肩掛けのせいでエジプト風にも見えるが、服はジャージ…?
独自のアルゴリズム †
ヒント:「こけし」。
都立ベドラム病院 †
ベドラムはイギリスにある世界最古の精神病院の名称。
13世紀に建設され、非人間的で残忍な治療法で悪名高い。
ミシェル・フーコー『狂気の歴史』で世に知られることとなる。
冒頭シーンで触れたパンクバンド・YBO2には『Boys Of Bedlam(ベドラム病院の少年達)』という曲もある。
イギリスでは『Tom Of Bedlam』という民謡があり、近代に於いては精神病者の代名詞として使われていたらしい。
本作の都立べドラム病院は地図上の位置・知名度から都立松沢病院のパロディかも知れない。
都立松沢病院は日本最大・最古の精神科病院で、中井英夫『虚無への供物』でも度々言及される。
なお、病院の外観はチベット・ラサのポタラ宮をモデルにしている。(参考画像)
地下王国アガルタ †
「アガルタ」は『時輪タントラ』で説かれる地底の理想国。
ポタラ宮の地下や北極・南極などにその入口があると言う伝説がある。
近代以降、ヒトラーや様々な神秘主義者・冒険家がその国の実在を信じて探し求めた。
手持ちの地図 †
RPGゲーム『女神転生II』の舞台、廃墟となった東京の地図に酷似している。
ソドムはどうやら新宿に当たるらしい。特徴的な看板のある歌舞伎町? あるいは同性愛つながりで新宿2丁目か?
ゲームでは爆心地(グラウンド・ゼロ)とされた皇居の位置は「空虚」と記されている。
単なる駄洒落ではなく、ロラン・バルトが『表徴の帝国』において、
東京とその中心=皇居を指して評した一文に由来すると思われる。
いかにもこの都市は中心を持っている。だが、その中心は空虚である
現在地が分からない †
ヒント:「109」と「ハチ公像」。
アガルタの説明図 †
アメリカのマーシャル・B・ガードナーの著書『地球空洞説』の挿絵が元ネタ。
こちらのサイトが『地球空洞説』の翻訳本を元に模写した図を、作者が借用したらしい。
なお、上記サイトは偶然にもmixiソワカちゃんコミュ管理人・ぴぺさんのサイトでもある。
須弥山 †
須弥山は仏教で説かれる世界の中心にある山のこと。
『魍魎戦記MADARA』シリーズでは「アガルタ」と関連付けた設定があるらしい。(参考URL)
桃源郷 †
中国における理想郷で仙人の住む世界のこと。
いざ開け 香巴拉の門…の場面 †
背景の曼荼羅はチベット密教の「時輪曼荼羅」(カーラチャクラ・マンダラ)。
サビの最後に入るシャウト †
ゲームソフト『どこでもいっしょシリーズ』のキャラクター・トロの声か。(参考URL)
ナース・ステーション †
向かって右側は映画『キルビル』でダリル・ハンナが演じたエル・ドライバー。
左側はナースのコスプレをしている(させられている)『涼宮ハルヒの憂鬱』の朝比奈みくる(参考画1・2)がモデルか?
衣装は拝借 †
ソワカちゃんのナースコスプレはファンサービスだろうか?
ダメ。ヘンタイ。 †
薬物乱用防止の標語「ダメ。ゼッタイ。」のパロディ。
なお精神医療における薬物乱投与による自殺の増加が、最近社会問題化している。
醫學博士 呉くれぞう先生 †
日本精神医療の近代化に貢献した医学者・呉秀三氏がモデル。
東大教授と東京府立巣鴨病院(後の松沢病院)の院長を兼任した。昭和7年没。
以下は著書「精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察」のなかで日本の精神医療の改善を訴えた言葉。
わが国十何万の精神病者はこの病を受けたるの不幸のほかに、
この国に生まれたるの不幸を重ぬるものというべし。
今月の標語 †
グルジェフの弟子・ウスペンスキー(ただし後に離反)の著書『ターシャム・オルガヌム』からの引用。
思考の運動を拘束するすべてのものは虚偽である。
思想の真の発展は、知識に向かって最大限の可能性を追求する姿勢の中にあり、
いかなる既存の知識形態にも安住することを認めない努力の中にある。
人生の意味は永遠の探求の中にあり、ただ求めることによってのみ、
新たな現実を見出すことができる。
双子の少女 †
映画『シャイニング』に登場する双子の姉妹の亡霊がモデルと思われる。
ちなみにそのさらに元ネタは写真家ダイアン・アーバスの作品。
赤毛・色白の患者 †
アメリカのミュージシャン、マリリン・マンソン
がモデルと思われる。(公式サイト ※グロ注意)
アルバム『メカニカルアニマルズ』のジャケットを参照のこと。
生まれてすみません †
太宰治『二十世紀旗手』の副題(?)に由来。
(生れて、すみません。)
秘密の入り口を見つけるために…の場面 †
夢野久作『ドグラ・マグラ』で精神科医・正木博士が考案した狂人の解放治療場がこのシーンのモデル。
中央の大仏の首 †
映画化された『ドグラ・マグラ』の狂人解放治療場のシーンに由来。
鍬を振るう老人 †
以下、『ドグラ・マグラ』より引用。
まず、最初に現わしまするは、西側の煉瓦塀の横で、
双肌脱ぎになって、セッセと働いている白髪の老人で御座います。
この老人は御覧の通り、両手に一挺の鍬を掴んで打振ながら、
煉瓦塀に並行した長い畑を二畝半ほど耕しておりますが、(以下略)
ソワカちゃんが話してるモヒカンの男 †
映画『タクシードライバー』でロバート・デ・ニーロが演じた主人公・トラヴィスと思われる。(参考写真)
出入り口近くの二人の男 †
サイレント映画『カリガリ博士』(1920・独)が元ネタ。(参考写真)
膝を抱える女性患者 †
第4話に登場した貞子がモデルの敵か?
笛を吹いているマントの怪人 †
横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』(文庫版、映画・ドラマ化も多数)が元ネタ。
ぬめり川くん †
ホラー映画『感染』(2004・日)の「肉体が溶けて緑色の液状になる奇病」が元ネタか?
なお『感染』は同監督によるドラマ・世にも奇妙な物語の『急患』(1991年)のリメイクで、そちらにも同様の奇病が出てくる。
また、ぬめり川くんの表情がマヤ文明の翡翠の仮面に似ているという指摘もある。
北海道のマスコットキャラクター「まりもっこり」がモデルという説も根強い。
409号室 †
綾辻行人の短編小説『409号室の患者』(光文社文庫『フリークス』にも収録)が元ネタか。
病室に入った途端 †
なぜかどろりとしたハブ酒がある。
精神的迷子 †
河合隼雄『昔話の深層―ユング心理学とグリム童話』辺りを読むと何か分かるかも知れない。
ヤンデルとグレテル †
グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』に「病んでる」「ぐれてる」の洒落を掛けた名前。
ヤンデルのモデルは、つのだじろうの漫画『うしろの百太郎』の主人公・後一太郎日野日出志の描くキャラだろうか。
グレテルのモデルは『スケバン刑事』の主人公・麻宮サキと思われる。
なお『ヘンゼルとグレーテル』にはこんなアレンジもある。(※ちょいグロ注意)
不動金縛之術 †
小説や漫画で忍者が使う忍法の一つで、敵を金縛りにする術。
密教の『大聖不動明王金縛秘法(密法)』に由来する。
おそらくは仏教特撮「愛の戦士・レインボーマン」の必殺技名から引用されている。
ヨーヨー攻撃 †
『スケバン刑事』でお馴染みの武器。ヨーヨーにはグルグル教団のシンボルが描かれているようだ。
愛するパパよ 愛する父よ †
日本のパンクバンド・THE STALINの曲『STOP JAP』の歌詞「愛する母よ 愛する父よ」へのオマージュ。(メロディも…?)
おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まにはんどま じんばら はらばりたや うん †
第7話のスタッフロールもどきでも使われていた光明真言。
割れたガラス窓の外 †
夜空の画像は年末SPの流用。
ゲーム『シャドウゲイト』で、三枚並んだ鏡の内、正解の一枚を除く二枚を斧で割ると、
宇宙空間に吸い込まれてゲームオーバーになる、というイベントがあるらしい。
メルト溶けてしまいそう †
初音ミクの曲『メルト』の歌詞「メルト、溶けてしまいそう」へのオマージュ。
ホワイなぜに? †
矢沢永吉の曲『アリよさらば』のフレーズ「Why? なぜに…」へのオマージュ。
その正体は謎のイケメン †
グリム童話つながりで変身譚『かえるの王さま』が元ネタか?
カエルは寝室にまであがりこんできていた。
図々しいカエルを見て王女は怒りのあまりカエルを壁に叩きつけるが、
そのおかげでカエルの魔法が解け、立派な王子に戻る。
胎児よ 胎児よ 何故躍る †
落ちてゆく際に現れる亀の甲羅やバナナの皮はゲーム『マリオカート』が元ネタ。
歌詞は夢野久作『ドグラ・マグラ』の巻頭歌に由来。
胎児よ
胎児よ
何故躍る
母親の心がわかって
おそろしいのか
地下の男 †
メカ沢新一先生、ようやく登場か!?
ようこそ アンダーグラウンドへ †
本エピソードの内容・元ネタを考えると、二重の意味(ダブルミーニング)ではないかと勘ぐってしまう…。